2010年12月7日火曜日

【起業のために読む本①】社長失格 板倉雄一郎

僕が起業するために読んだ本を紹介することにしました。これから起業する人にもそうでない人にも書評が蓄積されたら少しは役に立つのではないかと自負しています。

さて、今回紹介するのはこちらの本です。

著者は板倉雄一郎氏、いわゆるホリエモンに代表される2000年前後のITバブルの一世代前の時代の寵児といったところでしょうか。

本書との出会いはMBAの「ベンチャービジネス」の先生に推薦されたのがきっかけです。半年ほど前に一度読んだのですが、起業を決意した今、違った学びが得られるのではと思い再読しました。
あらすじはベンチャー企業がスタートアップから急成長、そして倒産に至る過程を赤裸々に書いたものです。銀行や取引先とのやりとり、社員の裏切りや組織の崩壊など通常のビジネス書では学ぶことのできない内容です。危機直面したケースで自分ならどのような決断をするのかという視点で本書を読むと疑似体験ができるでしょう。そんな中で僕が学んだのは次のようなことです。

【ファイナンスの重要性】
ベンチャー企業の場合、つまずく理由の大半はファイナンスの問題です。資金調達が思うようにいかず、倒産してしまうケースがほとんどです。ハイパーネットの場合も資金のほとんどを銀行借入によってまかなっていました。やはりできることならデットではなく、エクイティで調達した方が安心だし、思い切った勝負ができるでしょう。銀行借入をする場合は個人保証などよく考えなければならないでしょう。

【組織・ヒト】
経営においてもっとも重要なのはヒトである。このことに異論を唱える人はおそらくいないでしょう。しかし、経営者は目の前の課題に集中するあまり、このことを忘れてしまう。板倉氏自身、このように振り返っています。出世欲が強い人、金銭良くが強い人など組織には様々なタイプの人間がいます。彼らをどのように動機づけるかが経営者に求められる資質なのではないでしょうか。

【時流に乗る】
板倉氏の事業はある意味時代の先を行っていたということができると思います。顧客になる企業がインターネットに成熟していなかったのが一因だと思います。事業を起こす際は業界、周辺業界、景気、政治状況など様々バックグランドを考慮しなければなりません。つまり、「俯瞰」周りを見渡すが重要なのです。そしてこの時流に乗った者が神様から祝福されるのでしょう。


もし、自分が事業に失敗したとしてもこのような本は書けないでしょう。しかし、もし失敗してもどうせやるならこのようにケーススタディになるくらいなことをやろうという勇気を同時にもらいました。
このように先輩ベンチャー経営者の失敗から学べば、後に続く私たちは失敗の確率を下げることができるのではないでしょうか。




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